良いものを作るだけなら誰でもできる

先日書いた、安く仕入れて高く売るのが商売にも通じるのですが、
良いものを高いコストをかけて作るだけなら、誰でもできる。
重要なのはそこではない。
高いコストを掛けたいなら、その元を取る策を考える。
高いコストを掛けられないなら、低コストで如何に良いものにするか考える。
そのどちらかの策を考えることをビジネスと言う。

そこが意外と欠如しやすいなと感じています。
 
 
我々のようなインターネットビジネスの場合、
”原価”と”売価”みたいなものをイメージしにくい性質があります。
もしモノづくりをしている場合、仮に1万円であれば売れそうなものがあったとする。
としたら、(販管費にもよりますが)そこに掛けられる製造原価は仮に5千円としたら、
その5千円内で如何に良いものを作るかを考えるわけです。
 
 
ただ、ネットビジネスの場合そうもいかない。
課金は課金で、少数×多人数なので1人にかける原価感は全くないですし、
広告は広告で、どのくらいの広告量=販売価格というイメージも湧きにくいです。
結局、いくら稼げているからいくら投じられる(稼ぎありき)か、
いくら稼げそう(事業計画)だから今はどの位投じられる(先行投資)か。
そのどちらかがないと、投じられる額は決められない訳です。
もちろん、投じたからには回収をするという意識は必要ですが、
どの位なら投じても回収できそう。という見立てが無い中で投じるのは非常に危険。
 
”良いものを作ろう!”という掛け声だけだと、
どっちを目指しているのか(コストを掛けてそれ以上回収するのか、コストを抑えてその中で如何に工夫するのか)が見えず、
当たり前で誰でもできる策の話だけにとどまってしまうと思っています。
時間とお金をかけてそこそこ良いものを作るのは、誰でもできるんです。
それでは事業として成り立たず、継続できなくなってしまいます。そこがいまいち理解されにくい。
 
 
極力低価格で提供したいなら、低コストで価格以上のものを作れば良い。
高価格でも売れる力があると思うなら、コストをかけても良い。
結局、”お、ねだん以上”であれば良いんですよね。
モノづくりじゃないとどうしても見落としがちな視点だと思ったので、敢えて書いてみました。