社長に限らず、部門長など”長”が付く人の役割は、
責任を追うこと、つまり”なんとかすること”が仕事だと思っています。
よくある議論で、責任をとって辞めるという人もいれば、
責任をとって辞めないという人もいる。
どっちが正解ということは無くて、どっちの選択肢を取ったら他メンバーが幸せになれるか。
に尽きると思います。
再建の弊害になると思えば辞めるべきだし、
再建はその人にしか主導できないとなれば辞めずにやりきるべき。
人・組織それぞれだと思います。
ただ、いずれにせよ最後に最善に対して”なんとかする”のが役割。
その役割が故に、他メンバーよりも高い給与をもらっている訳です。
別に仕事の効率が良いとか営業成績が良いわけではない。
ただ、一人でなんとか出来る範囲には限界がある。
元々、私は”全社自分がなんとかする”という意識が強くありました。
実際、社内では自社サービスの立ち上げをしつつ、
私は受託開発の営業をして数字を作ってくるという時期も。
”自分がなんとかする”にこだわると、出来る規模が非常に限られる。
とんでもなく優秀であれば別かもしれませんが、凡人レベルの私には限界があった。
凡人だと気が付きつつもこだわってしまったことが成長を遅らせた要因だと思います。
そこからやっていくことが権限委譲。
”長”の役割を幾つか作っていき、権限も渡しつつ責任というデカイ塊を分割して配るイメージ。
配ることができない社長の責任は残しつつも、基本的な部分は全部配る。
そうすることで、私の負荷も減るし各部門長もいきなり大きな塊を持たなくて済む。
部門長が持つ塊は”最後はなんとかする”という範囲でなければいけません。
更に細分化してメンバーに配ることもできますが、結局部門については長が最後はなんとかする。
”なんとかする”というのは難しい。
1番努力をし成長すべき、1番規律に厳しくあるべき、1番緊張感を持つべき、
プレイヤーとしても最大パフォーマンスをあげる、極論何でもできるようになる、
給与をあげるのは最後・下げるのは最初
そんなところは意識してきました。その上でピンチを迎えたらやりきる。
なんとかできる範囲が非常に狭いとなると、”長”のしごとは務まらない。
特にベンチャーの場合、入社順、年齢順で長が決まるわけではないので、
小さい部門単位とはいえ、”なんとかする力”は非常に大事だと思っています。
逆にいうと、その範囲ならなんとかしてくれると期待をして任せるし、
メンバーもそう期待をして頼るのだと思います。
努力、規律、緊張感全ての面で”長”は見本であるべきだし、
最後はなんとかするという責任感が必要。
その責任の重さの代わりに待遇がある。
そこを、どういう”長”であれ意識すべきと考えています。