アンケート結果を鵜呑みにしてはいけない

ここ数ヶ月、何回か社内で”アンケート鵜呑み事案”があったので、
その反省も含めて”鵜呑みすべきではない理由”について整理を。
 
 
弊社では、サービスや事業の設計に際してユーザーアンケートをよく取ります。
主に定量調査で数百から数千に至ることも。
たまに定性のグルインを行うこともあります。
その中でも特に、定量調査が間違いを犯しやすいと思っています。
  
 
Q&A形式でのアンケートの場合、設問の内容や聞き方によって相当偏りが出ます。
幾つかの機能で、”欲しいと思いますか?”と聞くとしたら、相対的により欲しいものは抽出出来る。
ただ、1項目だけを絶対的に見ると、よっぽど要らないものでない限り70-80%が欲しいと答えがち。
その機能を入れることによるデメリットやコストを認識していないから。
めちゃくちゃ手間がかかるとしてもいるか?と聞かれたら要らないというかも知れないし、
1万円ですと言われたら要らないというかもしれない。
定量でのアンケートだと、そこの前提認識がズレた状態でのヒアリングになりえます。
1万円でも欲しい!と答えたとしても、その人達全員が本当に買うわけではない。
7掛けでも強気な位だと思います。
 
 
新たな事業アイディアを考えるヒントにしよう!
と思ったとしても、設問によって偏りが出る。
そもそも、選択形式で欲しいサービスや事業を聞くとしたら、
その選択肢作成時点でせまい範囲になっている。
また、最後にフリー入力欄があったとしても、そこまでの質問の流れなどに左右されがち。
特にネットサービスについてのヒアリングと言っていなかったとしても、
アプリユーザーへのヒアリングであったり、ネットサービスの項目に答えてもらってからのフリー入力では、
”こんなおもちゃがが欲しいです”みたいなアイディアは出ない。
 
 
仮説の検証用に定量データを使うのは良いと思うのですが、
アイディアを生むために定量データを使うのは難しい。
検証だとしても、色々前提を揃えないと聞く側の恣意性が出てしまう。そう思っています。
 
 
かなり容易にユーザー調査が出来る。というのは強みだと思っていますが、
それは自分の頭を使わなくて良いということではない。
打率は上がるかもしれないが、考慮すべき点が非常に複雑なので頭をつかう量はむしろ多くなる。
そこを大前提として認識をした上で、うまく付き合い、うまく活用していきたいと思っています。