KPI経営のリスクと弊害

弊社も事業部門ごとに、売上・利益の目標だけでなく、
KPI(重要業績評価指標)も設定し、それを追いかけるようにしています。

KPIを定める根拠は、ビジョンからの逆算。
ビジョンに対しての到達度を確認する指標がKPI、その軍資金が売上・利益だと捉えています。
売上至上主義にならず、視座を高めるための数値がKPI
ただ、そこがそうも上手くワークしないのがKPI

”ビジョンからの逆算”という視点で慎重にKPIを設定しているものの、
結局は”今”の売上以外の業績評価指標で、絶対にバッチリとは言い切れない。
あくまで正解はビジョンで、その仮説としての数値目標みたいな位置づけな訳です。
よくよく考えればそこはわかる訳ですが、日々の仕事ではそれを忘れがち。
仮説が間違っていたね~と無視して方針転換に乗り出すこともなかなか難しい。

テクニカルにKPIを伸ばすことができるとわかると、
売上以上にKPIを伸ばそうという意識も湧いてくる。
短期間だけでもKPIを伸ばすことが出来るとわかると、
中長期は無視して今のKPIを伸ばそうという意識も湧いてくる。
数字に対してストイックなのは良いことですが、
そもそもその数字が何のためだったのか?を忘れてしまうとそんなことが起きてきます。

調子の良し悪し問わずKPIは悪さをすることがある。
調子が良い場合、達成が嬉しいのでKPIの正しさについて確認をしない。
元は仮説の数値目標だったわけで見直しをすることが本来あるべき形なのに、
調子悪い感じにしたくないので、見直ししない。

調子が悪い場合、ちょっと取り方を変えて良い見栄えになる方法がないか考える。
絶対値で見ていたはずが、急に成長幅みたいな比率の話になる。
KPIの粉飾みたいなことも発生してきます。

どういう場合であっても、KPIはビジョンに向けての逆算数値。
その数字自体に意味があるわけではなく、進展計測として見ているだけ。
その数字イジリや分析をはじめてしまっては本末転倒
視点のデフレスパイラルを起こしてしまいます。

数字を数字として見るのではなく、
数字を意味もセットで見ておくことに価値がある。
そういう視点を常に持っておきたいものです。