安く仕入れて高く売るのが商売

事業を立ち上げる上で重要な視点って何なんだろうか?
と日々考えているのですが、当たり前のようで忘れがちな視点に気が付きました。
それは、”安く仕入れて高く売るのが商売”ということです。
特にネット系の事業をやっていると忘れがち。

つまるところ、すべてのビジネスは
”安く仕入れて高く売る”の差額で成り立っています。
その差額を付加価値と呼び、如何に付加価値の高い事業をするか。
ということを考えるわけです。

”付加価値”というと、オプションを付けないといけないような気分になりますが、
別にそういう訳ではない。
販売価格-仕入れ価格=付加価値
なので、仕入れ価格を抑えられれば付加価値が高いということになる。
単に、時期や場所によって標準価格が高ければ、付加価値が高いということになる。
(山頂のカップ麺、リゾート地の飲み物など)
商品自体の工夫ではなく、マーケット選択の工夫で付加価値は高くできます。
もちろん、市場環境によって競合が増え価格競争が起きると付加価値は減ってしまいます。

モノを仕入れて販売する事業をしていると当たり前の視点なのですが、
ネット系のサービス、特にその中でも広告に当たるモデルをやっていると忘れがち。
例えば求人サイト
”安く仕入れて高く売る”という視点で考えると、
如何に安く、新しい仕事を探している人を仕入れてきて、
如何に高く、人を求めている企業にその情報を販売するか。
そう解釈出来るわけです。

安く仕入れるためには、応募したいと思ってくれるコンテンツがあるべきだし、
サイトへの効率的な集客手段が必要になってきます。
高く販売をするためには、情報の質が高いと思ってもらうことが重要ですし、
他にはない情報と感じてもらうことも大事です。

ビジョンを意識することと同様に、事業に感情を込めることは、
組織の一体感醸成、モチベーションアップとして非常に重要だとは思います。
”仕事を探している人を安く仕入れてきて、人を求めている企業に高く販売しよう!”
と言っても全然ワクワクはしない。
”仕事の紹介を通じて人の人生を変えるお手伝いをする”
”最適な人財マッチングを通じて企業の成長を支援する”
などの方が適切。
ただそれは情の話であって、理でビジネスを考えると、
”安く仕入れて高く売る”は本質だと思います。

度を超えたレベルで”安さ”を求めると、
昨年のキュレーションサイト騒動のように倫理的・法的様々な角度で問題が起きうるので、
”適切な範囲で安く仕入れ、適切な範囲で高く売る”
新しい事業を立ち上げようとする上で、この”商売の本質”を今一度しっかり意識すべきと思いました。