採用の面談などをしていて、「この人良いかも?」と思いつつ、
「でも何か違和感がある…」と思っていたことがありました。
その”違和感”の理由がようやくハラオチしたので、書き出しておきます。
まだ少人数なので、極力前のめりな人に入って欲しいと思っています。
ただ、その前のめりにも2種類あって、
”野心的な前のめり”か、
”大志を抱いていて前のめり”
の2つに分けられると思います。
会社的に入って欲しいのは後者の前のめりです。
ただ自分もそうですが、最初は”野心”が先行することも少なくないと思います。
例え”志”を言っていたところでそれは美辞麗句にすぎなくて、
金銭欲、物欲、名誉欲などある程度の欲が態度に出て来てしまいます。
実際自分も会社員時代は、”ゼロから立ち上げてあげた利益に対して評価が低すぎる”と、
さんざんわめいていました(苦笑)
”数字の結果と、それによる自分の評価”
だけに目が行き、
”この仕事でどういう社会への価値を提供しているか”
といった広い視野のことが考えられていませんでした。
一見”ストイック”に見えるのですが、それは対数字だけであって、
対社会的価値はあまり考えていなかったりします。
『”自分が”最大限パフォーマンスを発揮できるかどうか』
ということを言う人は野心の方に分類されると思っています。
また、自分一人でその数字を上げていたりすると一層ややこしくて、
”自分だけで色々出来る”
という自信(過信)をもってしまいます。
それは所詮小さい規模の数字であって、対社会インパクトで言ったら米粒以下です。
そういう意識では人もついてきませんし、長続きもしません。
こういうのは”野心”に過ぎないわけです。
インセンティブ設計をしっかりした営業会社であれば、
その野心でスケールしていく場合もあると思いますが、
大体個人の野心でいけるラインは1億位までで、それ以上は難しいと思います。
また、”論語と算盤”という自分のポリシーにも反します。
それに対して、”志”は他利(社会益)をどれだけ意識出来ているか。
によって判断されると思います。
自分も思い出した時には判断軸として使っていますが、
”動機善なりや、私心なかりしか”
という稲盛さんの言葉はまさにそれを表現しています。
そういう判断が出来る前のめりが理想的だと思っています。
自分がどういうパフォーマンスを発揮するかではなく、
どういう価値を提供している会社に入りたいか。
に言及している人はこっちな気がしています。
自分もエラそうなことは一切言えませんが、
こういうことを頭で理解していても出来ている人はごくわずかです。
なかなか野心から志に移れないのだと思います。
経験的&見聞ベースで感じている志に至るパターンですが、
1、生まれつき”私欲”が少なく、”志”がしっかりしているパターン
⇒ 本当に稀。でも一番スゴイ。孫さんはそんな気がします。
2、野心からスタートして、途中で志に改心するパターン
⇒ 実際どこまで改心出来ているかわかりませんが、自分はココです。
”自分一人じゃ大きいことは出来ない”
”多少贅沢しても楽しくない(社会に影響を与えられた方が楽しい)”
ということに気が付いて一気に変わりました。
マダマダ変わらないといけないですが、、
3、野心は大きくないけど、小さな志はあって徐々に志だけ大きくなっていくパターン
⇒ おそらく、一番多い。
途中からベンチャーに入って上手くいくのはこういう人達な気がします。
ただ、志が大きくなるまで前のめり感は少ない可能性も。
一見”前のめり”なので2の人に魅力を感じてしまいがちです。
実際、短期的には2の人が一番数字貢献をしてくれると思います。
しかし、中長期でみるとあまりイイ選択とは思えません。
そこの我慢(短期の数字を諦めて中長期の成長をとる)
が出来るかどうかが経営者にとって大事なのではないかと思ったりしています。
(もちろん、2の人を改心させる規模と時間があれば別です。)
自分の場合、規模も時間もないので2の人を選ぶことはやめました。
目先厳しいところもあると思いますが、最善だったと思います。
全員が10%ずつパワーアップする素地を作りつつ、3の人を増やす方が強くなる気がしています。
併せて、自分自身の志・利他の精神についてもより考えないといけないな。
と強く感じた機会でした。
※北尾さんのこの記事は勉強になります。
個人的な見極め方ですが、
・”自分のパフォーマンス”にこだわる人はNG 大事なのは全体でどういう結果を出せるか。
・全く異なる価値を提供している会社で悩むのはNG 社会的志が絞られていない証拠。
という感じな気がします。たぶん。