お薬ノートは”薬歴管理”か”服薬管理”か。


提供開始から1年半が経つ「お薬ノート」ですが、
”電子版お薬手帳”と言ってしまうと誤解を招くことが多々あります。

 
 
お陰様で、(色々ヒアリングと調査した結果)お薬管理系のアプリの中では、
一番アクティブに使っていただけているようです。
現在もストア順位は上位にいてDL数・月間UU数共に伸びています。
ただ、アプリを医療関連の方に説明する際は結構面倒です。
 
 
実際にご利用いただいている方には、

”薬歴管理”(いつどんな薬をどの位飲んでいたか)
”服薬管理”(飲み忘れ防止と飲んだことの記)

の両方として使っていただいているのですが、
この”薬歴管理”というワードがクセモノなんですね。
 
 
薬局で”薬歴管理”というと、調剤報酬が関わってきます。
昨年の4月から開始した”薬剤服用歴管理指導料”で41点というやつです。
1点10円なので410円(患者負担3割だと約120円)
実は毎回、薬の費用とは別にとられています。拒否は出来ません。
文字通り、服薬歴を確認しつつ薬の説明をする。という薬剤師のお仕事です。
このエビデンスとして、お薬手帳やシールが重要という訳です。
(保険請求ですので、色々とエビデンスが必要と)
なので、薬局での”薬歴管理”というと、”点数算定されるかどうか?”の視点が非常に強くなります。
 
 
そもそも、お薬手帳を正確に使いこなしていないと、
「どうせ違う薬局に行ったら連携していないから薬歴なんて追えてないじゃん・・・(-ω-;)」
と思いますが、こういう制度なんですね。
 
 
じゃあ、「お薬ノート」に登録すれはそれも要件を満たすかというと、現行では無理みたいです。
かつ、薬局の基幹システムと連携した情報じゃないとだめだと。
バラバラ分散してる意味ないお薬手帳よりは意味あると思うんですけどね・・・( ´△`)
 
なので、”薬歴管理”と言ってしまうと、
「算定されないでしょー」 ← 利用者視点というより、調剤報酬視点(-_-)
「厳密な情報じゃないから意味ない」 ← 薬局間連携してない方が意味ない気が(-_-)
と言われて門前払いになるので、このワードには注意をしています。
 
 
ちょうど今、大阪薬剤師会でアプリだして実証実験していたり、
大手調剤薬局で出していたりして、実験してはいますが、
NFCやQRコードでの基幹システム連携が必須になってます。
NFCとQRとか完全に一長一短ですし、そのシステム全国共通にする頃には・・・
と思ってしまいます。
 
 
ということで、長くなりましたが、弊社としては常に
”どうすれば利用者の役に立てるか”
という視点で考えているので、両方の要素を持っているアプリではあるのですが、
色々なところで勧めていただく際は、
”服薬管理のアプリです!”というようにしてます。
 
 
服薬管理も非常に重要なトピックスではあります。
じつは、飲み忘れによる経済損失って結構大きいんです。(数千億単位とも)
アメリカは薬がボトルなので、
携帯電話網を使い、薬の飲み忘れを防止するピルケース

こんなのが出ていたりします。
日本のPTPシートだと難しいですが・・・
  
 
なので、まずお薬ノートではその”飲み忘れ防止”に貢献して、
服薬を少しでも楽しく出来たらなーという視点でさらに改善していきたいと思います。
薬歴管理をアピールするのはその先ですね。
もっと簡単に飲んだ記録が出来るようなことも考えていきたいな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。