“医療業界を変える”のロールモデル

革新的なことをやるためには、一般利用者を味方に付けるべき。と常々思っているのですが、
先日まさにそれと同じ事例を聞いたのでロールモデルとしてメモ。
 
 
 
その事例は、オムロン社の血圧計のお話です。
オムロンの方から聞いた話を自己解釈して書いているので、多少の齟齬はご了承を。

オムロンでは初の「家庭用デジタル血圧計(HEM-77)」
 
 
今でこそ、血圧は家庭ではかるのが当たり前になっていますが、
70年代までは”医師がはかるもの”で、医師の権限となっていたそうです。
その中でオムロン社は、家庭用デジタル血圧計を発売。医学界からは相当の反発をうけたそうです。
※ここにも書いてありました
 
 
しかし、利便性の向上と家庭血圧に関しての研究をすすめていったことで、
白衣高血圧や仮面高血圧といった病院と家庭の違いも明確になっていき、
医学界からも徐々に認められ、今や当然のように家庭で血圧をはかるようになった。ということでした。
つまり、それまでの医学界の”当たり前”に変化を起こし、
一般家庭に利便性の向上をもたらしたわけです。
 
 
では、何がこの革新のキーであったのか。
私は、

        

  • 一般利用者にとっての使いやすさを重視した機器であったこと
  • 医学界との適度な距離感
  • 継続的な研究・改善

が、ポイントだったんじゃないかな?と感じました。
 
 
研究・改善は製薬会社であってもかなりやっていることだと思います。
ただ、
”一番に一般利用者の声を吸い上げているか”
”医学界との距離感は適切か”
は、製薬会社では難しく、
元々医療機器が本業ではないオムロン社だから出来たんじゃないかなと思います。
(本業はセンサーの会社ですね)
 
 
”距離感”という意味では、特に流通ルートがわかりやすいと思います。
上のページにもありましたが、
オムロン社は自ら新しい販売チャネルの開拓を行っていたそうです。

血圧を家庭で測定するという考えが社会一般にはなかったため、販売チャネルの開拓にはかなりの工夫が必要でした。文房具店、金物店、機械工具店などを回り、お願いした苦労話が社内に伝えられています。実際に店頭では、血圧計が炊飯ジャーや電卓と並べて売られていた時代でした。

 
もしこれが、”病院でお医者さんにおススメしてもらおう””病院に卸そう”という発想であったら、
医学界側の反発から、販売は進展していなかったと思います。
(今は医師が勧めるケースも増えているそうですが、当初はという意味で)
既得権の影響が強い販売チャネルでいくら革新を頑張ろうとしても、
抵抗にあって動かなくなる。ということは容易に想像が出来ます。
 
仮に販売自体は依存しなかったとしても、本業が医学界であったとしたら、
既存ビジネスに悪影響を及ぼしたくないので反発を招くことは控えるでしょう。
なので、本業ではなく販売ルートも新規で開拓した。というのが肝だと思います。
 
 
さらに当然のことですが、一般利用者にとって利便性が高くなければ、
例え販売力がイケていて、物珍しさで売れたとしても次につながりません。
そこは販売力と製品力の両方があったんだと思います。
 
 
これを今の弊社カラダノートシリーズに当てはめると、
利便性は常時改善しつつ、直接一般利用者に提供するチャネルを拡大させていく。
かつ、利用者数と利便性を最大化していくことを最優先とする。

というのが今後業界に革新を起こす上でも大事なのではないか?と考え至っています。
一般ユーザーを大量に味方につけておくことで、思わぬ革新が起こせるのでは?と思います。 
 
 
インターネット業界の過去事例から考えると、極めて当たり前の結論ではあるのですが、
医療界においても過去事例にそういうモデルがあったんだ。という非常に良い学びでした。
 
そんな革新を起こしたい方、募集してます!

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